起業に興味があるけど、失敗はしたくないし…。何か成功しやすいパターンはないのかな?
地方公務員から起業するならば、必ず考えるべきこととして、地方公務員の経験を少しでもメリットにできる分野を選択することが挙げられます。
ビジネスの世界は決して甘くはありません。
これまで全く経験のない分野での起業は、リスクが高過ぎます。
特殊なスキルを持っているとか、大企業のバックボーンがあるとか、特別な事情がない限り、できれば避けるべきだと思います。
では、地方公務員が起業を考える時、その経験をメリットにできる分野とは何でしょうか。
実際の事例から見た上で、私が考える2つのパターンは次のとおりです。
①士業(行政書士、社会保険労務士またはそのダブルライセンス)
これは、経験の有無だけで言えば、通常は「経験のない分野」であると思いますが、しかし『法律を学んで人の役に立つ』というスタイル自体が、地方公務員の経験とリンクします。
地方公務員であれば、どの部署に配属されていても、関係法令や関係例規があってそれらを学び、それらに基づいて仕事を行ってきましたよね!
誰しも少なからず法律を読み、自分の業務の根拠を勉強したはずです。法令研修等も、研修の一環として受講した方が多いはずです。
民間出身者と比べて、日常業務における法令への馴染み度が圧倒的に違いますので、それは1つの強みと考えていいと思います。
つまり、地方公務員として働いていた方なら、誰しもが成功の可能性を秘めているのが「士業」という世界です!
ただし、「士業」と一言で言っても、すべての士業が地方公務員出身者に向いているかと言われると、違います。
また、士業として起業するには、国家資格が必要ですので、一部の例外を除けば、基本的にはまず国家試験に合格しなければなりません。
士業の国家資格は、地方公務員が仕事を続けながら取得できる可能性があるものと、そうではないレベルのものがあります。
これらを含めた上で、地方公務員が士業として起業する場合におすすめする資格は、地方公務員から起業おすすめ「資格」のページにまとめていますので、ご参考いただければと思います。
上記のページで私がおすすめしているのは、「行政書士」か「社会保険労務士」。または、この2つのダブルライセンス。
※逆に私があまりおすすめしていないのは、「司法書士」と「行政書士の特認」。→その理由もこちらに記しています。
それぞれの経験や資格取得のためにかけられる時間によって、目指すゴールは変わってくるかと思いますが、『仕事を続けながら独学で合格でき、当面は市場マーケットも見込まれる士業』の答えとして上記2つが最適解だと、自分の経験からも感じます。
つまり、起業までのハードルが高過ぎず実現可能性が高い上、成功する可能性が高い士業と言えます!
「士業」にもたくさん種類がありますが、やはり「行政府」のエリアで活躍する資格が有効で、経験を活かせるチャンスがあります。行政書士は、当然に「行政府」の関係手続で活躍することを想定した士業ですし、社会保険労務士も、歴史を紐解けば元々行政書士から派生した士業です。
※弁護士や司法書士はあくまでも「司法府」のエリアで活躍する資格です。この辺の話を深く書き出すと冗長になっていまいますので止めますが、同じ士業でも「司法府」のエリアを活躍舞台とするものは、少なくとも地方公務員が「成功しやすい」とは決して言えません。
でも、行政書士や社会保険労務士は、ネット上でオワコンとも言われてるけど大丈夫?
確かに、昨今は、士業の業界はAIやDX化の流れでオワコンと言われる傾向がありますが、現役の行政書士として、まだまだこの業界への需要はなくならないと感じます。
行政書士や社会保険労務士に限らず、「これからは士業は食えない」論は、特に今に始まったことではなく昔から言われ続けています。しかし、実際に稼いでいる士業は、現代にも大勢いるわけです。
起業家となるわけですから、当然失敗する人もいるし、それを見て知っている人はいる。そういう人たちが、「士業は食えない」を広げているだけだと思います。
実際に稼いでいる士業は、わざわざそれに反論することもしないし、「いやいや稼げるよ」ともあえて言うはずもない。ただそれだけのことです。
やり方さえ間違わなければ、士業で成功する道はまだまだあることを、私がこの目で見ています。
※少なくとも、現在地方公務員の方が実労働年齢である間は、形こそ変わっても、需要は残ると思います。
②専門性の高い分野(地方公務員として経験と人脈を蓄積した分野)
地方公務員として経験が高い分野に加え、例えば大学時代に専攻していた分野等、自分の「専門」と言える分野を持っている方は、それを活かした起業はやはり成功が近いと言えます。
事例で言うと、福祉分野に詳しい地方公務員が福祉関係ビジネスを起業した形、建設分野に詳しい地方公務員が建設コンサルを起業した形、教育分野に詳しい地方公務員が教育関係ビジネスを起業した形、ITに詳しい地方公務員がIT関連事業を起業した形…等です。
この型は、その分野に対する経験や情報量が豊富ということだけではなく、人的なつながり(人脈)も豊富に持っているケースが多いので、成功が近いと言えるパターンだと思います。
元々、地元密着型の仕事ですから、起業後にクライアントとなる企業や市民を、一定数おさえておけるチャンスがあります。
人脈はいざという時の救いになります。直接クライアントにならなくとも、どこで、どうビジネスにつながるかもわかりません。ある意味、知識や経験以上に、事業の成功に必要な要素と言えます。
それを起業前に一定量持っているという状況は、やはり強いアドバンテージになると思います。
もし、起業を考えている地方公務員の場合は、まず、ご自身に経験値の高い分野がないか、それを活かした起業スタイルは考えられないかを検討するべきかと思います。
以上のように書きましたが、全く経験のない分野での起業を否定しているわけではありません!
周到な準備と情熱があれば、未経験の分野で成功する例も数多くあります。あくまで、「成功が近い起業の型」としてご参考いただければと思います!
なお、少し違う観点から「地方公務員が失敗しやすい起業」も別ページにまとめていますので、ご参考ください!
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