それぞれの地方公務員としてのキャリアによっては、関連性の高い民間の業界があります。
もちろん、関連性が高いほど、転職時の採用や転職後の仕事において有利となります。
※一方、実際に民間に転職していった職員の中には、地方公務員としてのキャリアとはまったく関係のない業界に転身したケースも多くあります。また、地方公務員のキャリアというよりも学生時代の専攻分野に近い業界に進むというケースもあります。
以下、一例ですが地方公務員と関連性の高い業界を挙げてみます。
◆福祉関係→福祉業界
慢性的に人手不足の業界で、社会福祉士、介護福祉士などの国家資格があれば、好条件の転職もあります。
資格がなくても、地方公務員として福祉関係のキャリアがあれば、大きなアピールになります。
求人も多いので、条件にこだわらなければ、転職は決まりやすい業界です。
ただし、地方公務員と比べると、勤務待遇が良くない場合もあることに注意しましょう。
◆建設関係→建設業界
天下りの例のように、この業界は行政とのパイプ役として公務員出身者を求める風土があります。
どちらかというと、パイプ役になれるだけの力を持つ役職にいた職員向けの転職ルートかと思います。
一方、若手の技術職で、大手の建設コンサル系を狙うルートもあります。
この業界も人手不足で、仕事があっても受注できない事例が国内で増えてきています。
◆教育関係→教育業界
人に「教える」ことが好きである職員向け転職ルートです。
塾や予備校のみならず、生涯教育に関わる分野もあります。保育士が民間こども園へ転職するケースもあります。
待遇面はやや厳しいところもありますが、社会的意義の大きい業界です。
教員については、教員資格の無い方が「一から目指す」というのは厳しいと思います。
◆法務関係→企業法務系
法制事務の経験が豊富など、法律関係に詳しい職員向けの転職ルートです。
ただし、行政法務と企業法務はまったくの別物という認識も必要です。
「ビジネス法務検定」などを通じて、企業法務の基礎を身に付けておくとベターです。
会社法や、民法の契約関係についての知識のインプットが必要です。
◆法務関係→士業事務所系
法制事務の経験が豊富など、法律関係に詳しい職員向けの転職ルートです。
ただし、資格を持たない一般社員として就職すると、給与・待遇面は決して良いとは言えません。
このルートの場合は、あくまで「有資格者」として転職することをすすめます。
資格取得に興味がある方は、下記の記事もご参考ください!
◆環境関係→環境コンサル系
環境分野で廃棄物問題や自然環境に詳しい職員向けの転職ルートです。
特に、都道府県職員で環境部門が長い方であれば、専門的な知識を活かせることがあると思います。
環境問題は、社会的に今後も永続的に続く問題で、分野全体として将来性があります。
環境基本計画や、廃棄物処理基本計画などの作成を「受託」する側となります。
◆人事関係→社労士法人系
人事部門の経験が長ければ、ハラスメント対策や残業対策に対する実績をアピールできます。
社員がいる限り、どの会社も「ヒト」の問題は尽きません。社労士法人のニーズは高まる傾向にあります。
在職中に、社会保険労務士の国家資格を取得しておければベストです。
資格取得に興味がある方は、下記の記事もご参考ください!
◆税務関係→税理士法人系
税務課経験が豊富な職員向けの転職ルートです。
地方公務員としては都道府県税や市町村税の知識に限られますが、税の素養は掴んでいると思います。
ITの発達、クラウド系のサービスが充実した昨今でも、企業の税務の外注ニーズは減っていません。
ただし、税理士の資格については超難関ですので、私は目指すことはおすすめしません。
まとめ
◆地方公務員と関連性の高い業界
①福祉関係→福祉業界
待遇が厳しい場合もあるが、人手不足の業界であり、有資格者であれば条件の良い転職も可能。
求人も多いので、地方公務員として福祉分野のキャリアがあれば、転職は決まりやすい。
②建設関係→建設業界
行政とのパイプ役としてのルートと、若手の技術職が建設コンサル系を目指すルートがある。
人手不足に加え、元々公務員出身者を求める風土がある業界。
③教育関係→教育業界
人に「教える」ことが好きである職員向けの転職ルート。
塾や予備校のみならず、生涯教育や保育に関わる分野もある。教員を一から目指すのは厳しい。
④法務関係→企業法務系
法制事務の経験が豊富など、法律関係に詳しい職員向けの転職ルート。
経験のない「企業法務」の基礎は身に付けておく必要がある。
⑤法務関係→士業事務所系
法制事務の経験が豊富など、法律関係に詳しい職員向けの転職ルート。
「有資格者」として転職をしなければ、待遇面は厳しいのが現実。
⑥環境関係→環境コンサル系
環境分野で廃棄物問題や自然環境に詳しい職員向けの転職ルートです。
特に、都道府県職員で環境部門が長い方であれば、専門的な知識を活かせる可能性がある。
⑦人事関係→社労士法人系
人事部門の経験が長ければ、ハラスメント対策や残業対策に対する実績をアピールできる。
在職中に、社会保険労務士の国家資格を取得しておけばベスト。
⑧税務関係→税理士法人系
税務課経験が豊富な職員向けの転職ルートです。
都道府県税や市町村税の知識に限られますが、税の素養は掴んでいるので入りやすい。
各々に推奨される業界については、どうしても属人的な(その人のキャリアによって変わってくる)話になるため、転職エージェントによる客観的な分析を利用するのも、おすすめの方法です!
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