転職と一言で言っても、その背景は人それぞれに違います。
そして、背景の違いで特に大きいことの1つが、転職時点における年代ではないでしょうか。
20代、30代、40代それぞれに、転職活動をするケースは増えています。
どの年代に対しても共通して言えることは、年代に合った転職スタイルを意識しないと、転職自体が失敗に終わることもあるということです。
このページでは、地方公務員から「公務員」への転職の20代、30代、40代のハードルについてまとめています。
①地方公務員から公務員<20代>
どの種の地方公務員であったとしても、20代であれば可能性充分です。
地方公務員から国家公務員については、記事の最後にもまとめているように私はおすすめしていませんが、地方公務員から地方公務員であれば、都道府県職員への転職であろうと市町村職員への転職であろうと、希望する転職がかなう可能性は充分にあります。
ただし、やはり基本的には公務員への転職は一次試験(筆記試験)があるので、とにかくここをまず乗り越えることが、20代であろうが必要です。
脳がまだ若いし、時間もとれるでしょうから、他の世代に比べるとハードルは低いとは思いますが、20代でも、家庭を持っている可能性もあり、限られた時間で効率的に勉強を進めなければなりません。
効率的な学習を進めるためにベストな選択は、独学より公務員講座を活用することをおすすめします。これはお金もかかる話ですが、公務員試験のあの独特な出題に対して今一度対策するには、自身の交際費や娯楽費を削ってても、自己投資するべきだと思います。
それから、面接では、やはり民間同様に「転職理由」は聞かれます。転職に実はネガティブな理由があったとしても、面接では積極的な理由を前面に出しましょう。
地方公務員としての「前職での実績」も聞かれるでしょう。私もかつて面接する側にいましたが、面接する側も、20代の地方公務員に大した実績なんてないことはわかっていますが、どういう姿勢で担当業務に向かい、どのような経験をしてきたのかは、必ず聞いていました。
その辺も、明確に答えられるように整理しておきましょう。
どの地方自治体も人材不足に頭を抱えているのは事実です。20代の優秀な人材であれば絶対に欲しいところ。そういう意味では、やり方さえ間違わなければ超えられるハードルです!
20代の面接で特に注目して見るのは、積極性と、言葉遣いです。
消極的な言葉や、社会人としての基本的な言葉遣いができていないことなどは、大きなマイナスになります。
まずは、民間の場合と同様、積極的な転職理由を作ることから考えてみましょう。
②地方公務員から公務員<30代>
30代での公務員転職は、最もチャンスがあると思います。
地方公務員→地方公務員(都道府県職員への転職、市町村職員への転職)であれば特に!
私が市役所で中途採用していた経験からすると、30代の地方公務員経験者が応募してきたら、まずはちょっと嬉しい(笑)。「お!」と思います。
最終的には、もちろん中身が伴わなければ採用しませんが、応募時点でのポイントは間違いなく高い。
つまり「地方公務員としての初期教育の手間がかからず、基礎的素養を備えている人」として、新卒に比べれば最初からバリバリやってくれるのではないか?と期待します。
そんな人が、うまいこと自分の役所に応募してくることもなかなか実際には少ないんですが、それでも、今では「地方公務員→地方公務員」という転職自体は決して珍しい話ではないということは言えます。
ハードルがあるとしたら、一次試験だけはどうしても対策が必要ということ。ただ、30代であれば、公務員講座を受けるくらいのお金は作れるはずです。人生を懸けて転職を考えるなら、専門学校のノウハウを購入することが、最もスマートな手法だと思います。
実際に市役所に転職してきた元公務員も、公務員講座で一から勉強してきた方が多かったです。
そして一次試験を突破することができ、ある程度面接で無難な結果を残せれば、ハードルはゆうに超えられるチャンスありだと思います!
少なくとも、地方公務員から民間への転職よりは、ハードルは高くないでしょう。
30代の地方公務員というと、家庭を築いている場合も多いですし、子供がまだ小さいということも多い。様々なリスクマネジメントを考えても、地方公務員から地方公務員は賢い選択かもしれません。
③地方公務員から公務員<40代>
40代の地方公務員が中途採用に応募してきた場合。
採用担当者側としてまず思うことは、「前職で何か問題があった人ではないのか?」です。
これはもう、素直に生まれてしまう感情です。
事務的なミスを犯したとか、人間関係(コミュ力)に支障がある人とか、何かがあったのではないか。いずれにしても、なぜ40代にしてわざわざ異なる自治体への転職を考えたのか…
ある意味で、興味津々です(笑)
ただ、第一印象はマイナスかもしれませんが、もちろん優秀な人ならば欲しいと考えます。
例えば、上手くいけば数年後には管理職を任せられるかもしれない、元の自治体の良い部分を浸透させてくれるかもしれない、若手の教育にも注力してもらえるかもしれない、自分の自治体の懸案事項について何か妙案を出してくれるかもしれない…等、勝手に期待するところもあったりして。
なので、この場合、重要なのは転職理由。上記にある「なぜ40代にしてわざわざ異なる自治体への転職を考えたのか」を整理する必要があります。
都道府県職員から市町村職員や、市町村職員から都道府県職員の場合だと、理由は少し作りやすいかもしれないですね。前者の場合だと「より住民に身近な行政に携わりたかった」、後者の場合だと「より広域的な視点で行政に携わりたかった」などです。
実際のところは前職での人間関係(同僚、上司や部下又は理事者や議員)に疲れた等のネガティブな理由があったとしても、それは絶対に表に出さない方が良いです。
つまりは、40代の場合だと、一次試験を通ったとしても、面接で好印象を与えられるか(問題があって前職を辞めようとしている人ではないとわかってもらうこと)が、重要です。
そういう意味で、20代や30代よりは当然にハードルは高くなりますが、本人の人間性にさえ問題がなければ、むしろ「欲しい」人材だと思わせることはできます!
40代の転職は勇気がいりますよね。
理由は本当に人それぞれだと思いますが、採用担当者側も、「それなりの決意で来ているのだろうな」と思うので、ある意味で、20代、30代より注目されます。
面接試験にもしっかり対策することで、その注目に応えられる準備をしましょう!
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