私が地方公務員になった頃の約20年前と比較すると、現在は、考えられないくらい公務員への中途採用枠が拡大しています。
拡大の一番のポイントは、年齢制限の拡大です。
ひと昔前までは「35歳以下」や「40歳以下」という制限がごく一般的でしたが、現在は最大「59歳以下」までという応募条件も決して少なくない状況です。
つまりは、公務員も『人材不足』が顕著であるということです。
下記は国家公務員に関する過去のニュース記事です。
人事院は25日、中央省庁の幹部候補で、キャリアと呼ばれる総合職の退職状況を初めて公表した。在職10年未満の若手が対象で、2020年度の退職者数は109人となり、13年度の76人から43.4%増えた。課題を分析し、人材の定着や志願者の増加につなげたいとしている。
調査によると、国家公務員Ⅰ種試験が終了し、総合職の採用が本格化した13年度から17年度までは、10年未満での退職者が100人以下で推移。年度平均は80人程度だった。その後、18年度116人、19年度139人、20年度109人と3年連続で100人を超えた。
具体的な退職理由は十分把握できておらず、人事院は「把握する努力をしながら結果の分析を進める」としている。
(令和4年5月 『日本経済新聞』より抜粋)
これと同じような事象は地方でも起きていて、下記記事のような動きが広がっています。
専門性の高い多様な人材を確保するため、社会人経験者の採用を増やす自治体も増え始めた。
神戸市「新卒と中途を5対5」、愛知県は公務員経験者に注目
神戸市は社会人経験者の採用を拡大、「23年度の一般行政職の採用試験で、新卒と経験者の割合を5対5」(久元喜造市長)という方針を打ち出した。6月24日に東京国際フォーラム(東京・千代田)で開催される社会人経験者の中途採用を目指す企業が多数参加する合同企業説明会「マイナビ転職フェア東京」に参加。7月23日には、JR渋谷駅直結の複合施設「渋谷スクランブルスクエア」(同・渋谷)のスクランブルホールでも市単独で「社会人経験者向け説明会」を開催する。東京圏での説明会開催は、同市の本気度の表れで、複雑化する行政課題に立ち向かう強いリーダーシップ・即戦力を持つ多彩な人材を求める。
国家公務員経験者、都道府県・政令市の大卒採用職員らを22年度から筆記試験なしで採用しているのが愛知県だ。経歴と自己PR書を審査後に面接で採用を決める。例えば、国家公務員総合職であれば勤務年数17年以上で課長級、8年以上で課長補佐級として選考する。「行政実務経験者は行政課題に対して迅速かつ的確に対応できる人材、即戦力となりうる」(県人事委員会職員課)。初年度は2回の募集に計74人が応募、6人が最終合格した。
(令和5年6月 『日本経済新聞』より抜粋)
市役所の総務課を悩ませる最大の仕事が「人事」ですが、地方公務員でも、脂の乗った30代~40代のエース級の職員が退職(転職)してしまうことが増えていて、人事のたたき台を作るのに例年本当に苦労します。
団塊世代の退職、
就職氷河期世代の公務員離れ、
追打ちをかけるような少子化…、
各役所の総務課は、人材確保に本当に頭を悩ませています。
即戦力とはいかなくても、社会人経験があり「教育」の手間が最小で済む人材は、採用側にとっても喉から手が出るほどに欲しいという現実は、確実にあります。
とにかく、中途採用で公務員になるチャンスは過去最高に拡大しています!
私も、市役所の総務課で中途採用をしていましたが、年齢などは関係なく、その人の「人格」を見て判断していました。
何より、「周囲と協調して仕事を前に進めてくれる人材が欲しい!」という気持ちです。
その都道府県や市町村にゆかりが無くたって、そんなことも関係ありませんでした。
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